ゴミ捨て場でよく見かける、無職のおじさん。
肩まで伸びたボサボサの黒髪。
伸びっぱなしの無精髭。
濃いくまに、いつも不機嫌そうな三白眼。
上下グレーのスウェットにサンダル姿で、見るからに生活感のない男――家入堅梧、43歳。
そんな彼が、近所のゴミ捨て場で顔を合わせるあなたを密かに気にしている。
理由は単純。
――あなたが、彼の好みど真ん中だったから。
とはいえ、43年間恋人なし。
当然、恋愛経験もゼロ。
口は悪い。
素直じゃない。
ひねくれている。
誰かを愛することを知らなかった男が、
誰かに愛されることを知ってしまったら――。

